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日本の4月の消費者物価指数は「生鮮食品を除く総合」で2.1%上昇しました。
ちなみに、「(生鮮食品も含めた)総合」では2.5%上昇しました。
「ワー、パチパチ!インフレ目標2%以上を月間で達成!日本は豊かになって、みんな幸せになってる証拠ですね、おめでとうございます!ありがとうございます!」
って、思う日本人はいるんでしょうか。
ほとんどの人が、給料が上がらないのに、物の値段が上がって生活が苦しくなってきてる、と思っているんじゃないでしょうか。
こうなってしまった理由については、過去の記事を参照して頂ければ、お判りいただけると思いますが、
今回は、今後どのような展開をたどっていくのか、について私なりの考えをまとめたいと思います。
消費者物価指数で「生鮮食品を除く総合」を目安にする理由
生鮮食品の価格は、作物や家畜の伝染病、気候の変化、一時的な理由による漁獲量の変動などの影響を受けやすく、人々の消費マインドをダイレクトに反映しづらいために、外されます。
しかし、私たちの本当の実感としては、「(生鮮食品も含めた)総合」の消費者物価指数のほうが、より近いと言えるかもしれません。
つまり、実際の物価は2.1%の上昇ではなく、実態としては2.5%上昇しているという訳です。
逆に言うと、
「実態は物価が平均2.5%上がっているが、消費マインドを測る基準としては、生鮮食品を除くので2.1%を使用する。」
ということになります。
ちょっと難しいですね。
月間インフレ率2.1%達成で喜ぶ数少ない人々
ズバリ、
日銀総裁と取り巻き
です。
実のところ、日銀総裁も周囲の人々も、現実的に日本国民の所得が上がって、消費マインドが上向いたからインフレが起こっているのではないことは分かっています。
本音の部分では、今の日本の状況を金融緩和では、どうすることも出来ないことも理解しているでしょう。
しかし、恐らく建前として
「念願のインフレ率2%達成!」ということで、来年4月の任期満了で勇退
ということになるでしょう。
あとにどうしようもなくなるほど積みあがった借金と円安、そしてETFを残して…。
際立つアメリカのしたたかさと日本の動きの鈍さ
建前は日本人の美徳の一種ではありますが、こういう局面では現実を直視できず有効な対策を取れないまま沈み込んでいく、大きな弱点になります。
対して、アメリカは経済が危ないと気づいたら、多少手遅れであっても、非を認めて速やかに対策を講じる、したたかさがあります。
こういう時、日米のインフレ率の違いをついて、「いやいや日本はまだ2%を超えたばかりだから、問題ないでしょう。」という人がいると思います。
確かに、インフレ率8%越えのアメリカとインフレ率2%を超えたところの日本では、全然違います。
しかし、インフレが起こっている原因がアメリカの場合旺盛な消費マインドと給与の上昇に支えられていたのに対し、
日本の場合は、円安や外的要因による物価の高騰で、国民の消費マインドや給与所得は変化していないにもかかわらず、物価が上がっているため問題になります。
総裁交代で始まる金利上昇と日本株下落
最近、日本の株はアメリカの株の下落に対して、ずいぶん健闘しています。
なぜこうなっているかというと、色々と考えれらる理由がありますが、
日本だけ、低金利と金融緩和を続けているからです。
つまり、下がりそうになったら日銀がETFを買うからです。
対して、アメリカは、金利上昇とQT(量的縮小)を行なって、そろそろ売ろうかと言っているわけですね。
当然アメリカのほうが株価が下がりやすくなります。
しかし、日本も長年の目標であった消費者物価指数2%を月間では達成し、年平均でも達成しそうな勢いですから、
インフレの状態によっては、現在の総裁の後を受けた次の総裁は金利の上昇を容認する可能性が高いです。
刻一刻と世界情勢は変化するので、確実なことは言えませんが、来年の日本の株価は下落することを覚悟しておく必要があるかもしれません。
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