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最近はめっきり聞かなくなりましたが、1年ほど前まで「インフレ率2%を目標に金融緩和を続ける」という日銀総裁の発言を聞いていたことを覚えていますでしょうか。
なんか、【インフレ2%が目標!】とか言われると、一見インフレがいいことのように思いますよね?
本当にそうなのか、ここで1回冷静になって考えてみましょう。
【インフレには2種類ある】
☆良いインフレ:収益や給料が上がり、余裕資金が出来たため人々の購買意欲が上がり、その結果商品の値段が上がる。
★悪いインフレ(スタグフレーション):収益や給料は上がっておらず、生活も厳しいが、商品の値段が上がる。
【今起こっているインフレはどちらか?】
人によって感じ方は違うでしょうが、現在は悪いインフレ(スタグフレーション)が起こっている可能性が高いです。
代表的なものは、うまい棒の10円から12円への値上げ(20%インフレ)ショックですが、他にもカップヌードルに始まり、様々な商品の値上げが同時多発的に起こっています。
【悪いインフレであるスタグフレーションが起こっている顕著な例】
花王が商品の値上げを打診したら、安売りスーパーのオーケーが反発して商品を取り扱うのをやめると宣言するようなケースがありました。
このケースでは、花王は原材料費の高騰を商品価格に転嫁しようとしたところ、小売り価格を値上げすると売れなくなることが分かっているオーケーが拒否した形になります。
だんだん実態が見えてきましたね。
そう、まず花王は売れるから値上げしたのではなく、原材料費の高騰を企業努力では吸収できなくなったから値上げをしています。
一方、オーケーのほうは、仕入れが高くなったとしても、それを商品価格に転嫁すると、お客様が買わなくなることを知っています。
なぜなら、庶民の給与はその値上げに耐えれるほど上がっていないからです。
【本当に2%のインフレを達成したらどうなるか?】
もし仮に、2%のインフレを達成してしまったら、単純に考えると平均して全ての商品の価格が2%上昇するということになりますよね?
つまり、20万円で買えていた商品が、20万4000円になるということです。
従って、単純に考えると、あなたが月給20万円の給料のサラリーマンだとして、その月給も最低2%上がっていないと、去年買えていた商品が買えなくなる訳です。
月給20万4000円になって、ようやく去年と同じ生活になるということになります。
ちなみに月給30万円なら最低6000円の賃上げが必要です。
※厳密には年収に対する課税の閾値があるため、その閾値に引っかかると、取られる税金が一気に増えるため、より多くの昇給が必要になります。
また、年々ブラインド的に増えている、社会保障費も加味すると更なる昇給があって初めて、1年前の生活水準を維持できる計算になります。
月給4000円の昇給、これが大企業から中小企業に至るまで、派遣やバイトもすべて含めて、平均でこれくらいの賃上げがされると思いますか?
むしろコロナ禍で、ボーナスや給与をカットされた人も多いのではないでしょうか。
にもかかわらず、連日のように発表される身近な商品の値上げのニュース。
あなたは本当にインフレになって幸せを感じていますか?
そして、日本銀行はインフレ率2%を達成すると、何をすると言っているのでしょうか。
次回は、今のインフレがどういう仕組みで起こっているのかと、実際に日本のインフレ率2%を達成した時に日本銀行が何をするのか、についてお話ししようと思います。
新NISA(2024年) 20240203
トリガー条項発動を考える。 20240129
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