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2021/9/14にプレミアアンチエイジング(4934)の決算が発表されました。
長期投資目線の場合、まずこの決算が何にも勝る判断材料になります。
今回は、上のほうにここに至るまでの過程を書いていますので、結論だけ見たい方は、下のほうに書いてある【プレミアアンチエイジング(4934)の株価は通期決算翌日になぜ大きく下落したのか。】をご覧ください。
プレミアアンチエイジング(4934)の株価をまず2Qと3Qの決算から辿る
まずは、通期の決算説明資料を見ましょう。
<今回の通期決算説明資料より>
(出所:プレミアアンチエイジング社ホームページIR)
上記は業績ハイライトになりますが、緑でつないだ部分をご覧ください。
日付が書いてあるのが分かると思いますが、これは2Qの決算で通期上方修正された際の上昇分が左のグラフと赤⇧で示されたものとなります。
2021/3/15の2Qの時点で示された決算では、『前年と比較した場合、通期ベースで売上高が+124.7%、純利益が+169.2%になりますよ。』という上方修正でとてもインパクトのあるものでした。
多くの投資家はこの時点で、1年の半分しか経ってないのに、これだけ上方修正してきたということは、通期ではもっと上積みがあるに違いない、と見ました。
株価は2Q翌日にストップ高を付けた後、大きなボラティリティと出来高を伴いながら、上昇していきました。
また、決算の内容に注目したインフルエンサーによって情報が拡散されたことで、人気化してマザーズの出来高ランキング上位の常連になりました。
この時点ですでに掲示板などはとてもにぎわっていて、古参のホルダーの投稿が埋没し、分かりづらくなるくらい毎日多くの人がコメントしていました。
当時言われていたのは、値がさ株なので分割に対する期待と、優待に対する期待、そして次の決算に対する期待でした。
私はその時期、掲示板で、「分割に関しては、手数料がかかるので別になくても良い。」という長期目線でのコメントをしたのを記憶しています。
2022年4月に市場再編があるので、各社指定替えを狙っての分割をする意味があまりない時期にあたるので、しばらくはないだろうと思っていましたが・・・。
3Qの決算はそのように期待値がかなり高まっている状態で迎えました。
注目の決算でしたが、確かに3Qは純利益ベースですでに通期目標を超えている素晴らしいものだったのですが、通期上方修正がなかったこと、期待されていた分割、優待、配当がなかったことなどを理由に翌営業日に大きく株価を下げました。
<3Qの決算説明資料①>
(出所:プレミアアンチエイジング社ホームページIR)
上記の右のほうの緑で囲った部分に書いてある通り、本来5月以降に入るはずの売り上げが3Qに前倒しで入り込んでいるから、この数字になったようですね。
<3Qの決算説明資料②>
(出所:プレミアアンチエイジング社ホームページIR)
さらにこの上記のページでは、4Qは広告宣伝費に利益を使うとハッキリ書いてあります。
ところが、一旦株価は下がったものの、やはり3Qの決算自体は良かったため、見直しが入り、中国テンセントホールディングスとの提携IRなどもあって、株価は3Q前の水準を上回る水準で推移するようになりました。
プレミアアンチエイジング(4934)の株価は通期決算翌日になぜ大きく下落したのか。
理由は簡単で、3Qの時と全く同じで決算前の期待値が高すぎたからです。
やはり、分割や優待発表や、中国での事業の伸びで決算は素晴らしいに違いない、と言ったようなコメントが掲示板の随所に見られました。
ところが、発表された決算を見てみると、まず分割や優待、配当に関しては今回もなし。
そして、通期の実績も3Qからほとんど伸びが見られなかったことなどが嫌気されて、売られる展開になりました。
しかし、3日後、英語の決算説明資料が出されると、潮目が変わりました。
これにより海外投資家の目についたことと、実際のところ決算説明資料に書かれた来期の会社予想は二桁成長を示していたことで評価が再び見直されました。
また、上で記述した通り、3Qの時点で、4Qの売り上げの一部が3Qに入ることと、4Qは宣伝広告費で利益が使われる旨がハッキリ書いてあるので、決算説明資料をしっかり読むと、4Qにあまり伸びなかったのは特に不思議でも何でもないということが分かります。
<今回の通期決算説明資料より>
(出所:プレミアアンチエイジング社ホームページIR)
会社予想は基本的に控えめに出すので、実際は上方修正が来るかもしれない、という期待もありますし、今回、分割・配当・優待が発表されなかったこと自体が次回への期待になっているという皮肉な側面もあるかと思います。
いずれにせよ、掲示板を見ると、最近1か月の下落と通期の下落を受けて、2Q~4Qまでに見られた熱狂的な投稿数はややなりを潜め、落ち着いた雰囲気を取り戻しつつあります。
これは、長期投資家目線では、良い傾向だと考えています。
というのも、2Qの決算とその後の株価の上昇を受けて、いい意味でも悪い意味でも目立ちすぎてしまったため、期待が大きな風船のように膨らみすぎる傾向にあったからです。
今後の株価は決算次第ですが、ある程度期待というガスが抜けた分、以前よりもスリムで魅力的な株になったと、私自身は感じています。
今回の記事、気に入っていただけましたら、今後も色々な株について記事をあげていきますので、ホームページのお気に入り登録、よろしくお願いします。
新NISA(2024年) 20240203
トリガー条項発動を考える。 20240129
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