暗号資産とその技術

【暗号資産黎明期】


暗号資産の概念は、1998年WeiDai氏が匿名分散型電子金融システムb-moneyを発表したことに始まります。
新たな電子金融システムとして注目されたb-moneyでしたが、セキュリティ面に問題があり、広く使われることなく姿を消しました。
そして、2009年セキュリティ面の問題を克服した初めての暗号資産ビットコインが謎のITエンジニア、サトシ・ナカモト氏によって産み出され、現在に至ります。

このセキュリティ面を強化した技術を『ブロックチェーン技術』といいます。

【ブロックチェーン技術】


ブロックチェーン技術とはなんなのかというと、ハッシュ関数をパソコンのCPUで時間をかけて演算して求めるハッシュ値を一つのブロックとして、それを鎖(チェーン)のようにつなげることで、データの改竄を防ぐ技術のことです。

・・・って言われて一発で分かったら天才だと思います。
『は?日本語でしゃべって!』って思いますよね。
私も、予備知識なしでいきなりこう言われてもさっぱり分からないと思いますので、安心してください。
そんな意味わかんないって顔してるあなたのために簡単に説明します。

要はビットコインが欲しいと思って、ビットコインのシステムにアクセスすると、システムから計算問題が出されます。
その計算問題をパソコンのCPUの力で解くことをマイニング、そして、そのマイニングをする人をマイナーと言います。

例えば、あなたがマイナーで、持っているパソコンにこの計算をさせる人の1人だとしましょう。

❶ビットコインのシステムがめちゃくちゃ難しい計算をあなたのパソコンにお題として出します。
(この計算問題は参加者が増えれば増えるほど、より難しく複雑になっていきます。)

❷あなたのパソコンが頑張って、だれよりも早くその問題解いたら、お礼としてビットコインをちょびっともらえます。

❸あなたのパソコンが解いた答えをハッシュ値といい、その答えに至った過程も含めて、全てを一つのブロックと見立てます。

❹こうやって出来たブロックを他の人のブロックやその後の取引の過程と繋げたものがブロックチェーンです。

❺このブロックチェーンを突破して、データを改竄してビットコインを盗もうとすると、最初からそこまで取引されてきた全過程をパソコンで計算しなおさないといけないので、膨大な時間と電力がかかってしまい、データ改竄がとても難しい。

というのがブロックチェーン技術です。

【マイニング】


上の項目でお話ししたハッシュ値を求めて、ビットコインを報酬として受け取る行為を俗にマイニングと言います。 正確には、プルーフオブワーク(POW)といいますが、ちょっとイメージしづらいので、つるはしをふるって金や銀などの鉱物を掘り当てる採掘作業(マイニング)にやっていることが似ていることからそう呼ばれています。

マイニングは個人でやっている方もいますが、高性能なパソコンが必要で、なおかつ非常に電力がかかることから、だれでも簡単に出来て儲かるというものではありません。
全世界のビットコインのマイニングの6割以上を生産する中国などでは大規模な集団で行なっています。