今、日本株が米株より強い理由
ここのところ、日本株はアメリカ株に対してアウトパフォームしていると言える状況です。 では、なぜ日本株が底堅く推移しているのか、考えてみようと思います。

海外勢にとって、円安でお買い得


元々日本株と円を持っていた海外投資家は、現在のドル円相場で損をしていると思います。 一方で、これから買う投資家にとっては、日本は今絶好の買い場が来ているんだと取ることも出来ます。 1ドルで100円分のものしか買えなかった時と比べて、1ドルで130円分のものが買える現在は、海外投資家にとってお買い得です。 多くの海外投資家が、この1ドル130円というのが一つの円安の底になるのではないか、と見ているとも取れますね。 ただし、一旦大きく円高に振るタイミングはどこかであると思いますが、長期的にみると様々な問題を抱える円はドルに対してどんどん弱くなっていくので、円安傾向は続くと思われます。

グロース(旧マザーズ)銘柄が下がりすぎ


昨年の高値の約半値まで滝のように落ちたグロース銘柄は、バリュエーションが低くなっており、下値が限定的になっています。 ここを下値とみる買い支えが継続的に入っています。 そのため、アメリカ株が下落しても、以前のように連れてそれ以上に下がるということはなくなっています。 むしろ、良く持ちこたえていると言えるでしょう。 また、業績次第で、上昇する銘柄も見られます。

海外輸出関連企業が絶好調


円安の恩恵を受ける一部の企業が業績を大きく伸ばしているので、それが全体の相場を支えています。 ただ、本来であれば、もっと評価されても良いのですが、逆に物価高で円安の打撃を受ける企業(輸入・国内消費など)のほうが多く、相場全体としては横ばいか下落基調です。

日銀のETF


緩和をやめたアメリカに対して、日本はまだ日銀がETF買いを続けて、買い支えています。 長期的な影響を考慮すると、もう止めるべきだと思いますが、現在の株価の下支えになっているのは確かです。

金利が上がらない安心感


日銀は、連続指値オペを繰り返して、金利の上限を0.25%で強引に固定しています。 これによって、株が買われやすいとみなす人もいます。

※まとめ

このように様々な要因から、日本株は米国株に対して、アウトパフォームしていると思われます。 しかし、数年あるいは10年後の将来を切り売りして行なう、無制限の買い入れの副作用がすでに出始めており、数年以上の長期で持つにはよほどの配当株でもない限り、控えたほうが良いかもしれません。