金利と株式の関係性

【金利と株式は逆相関関係】


 

金利が高い状態を単純に言うと、貯金したら利息がたくさんついて借金したら利子をたくさん払わなければいけないということです。

金利が低い状態はその逆で、貯金してもほとんど利息がつかず借金しても利子はそれほど膨らまないということで、日本は長らくこの状態ですね。

じゃあ、どうして金利と株式が逆相関の関係にあるかというと、

株式は売却益や配当株主優待 などの恩恵もある一方で、常に下落のリスクがありますから、金利が高い時は貯金しているほうが、安心安全に資産を増やすことが出来るからです。

そこで、金利が上がると株式から資金が逃げて、貯金に回ります。すると株価が下落するということです。

逆に金利が下がると、貯金しているうまみがなくなるため、多少のリスクをとっても株式投資をしようとする機運が高まって、株が買われ、株価が上がります。

また、世の中に流通しているお金の総量はある程度決まっていて、例えば日本の場合だと、日本銀行が古くなった1万円札を裁断、破棄して、新しく発行したお札を改めて市場に流すことで、その流通量を安定させています。そこら辺は先進各国は似たような仕組みになっていることがほとんどです。

仮に、コロナ時の給付のように政府が民間にお金を支給することがあっても、昨日まで流通量が1000兆円だったのが翌日いきなり2000兆円になるようなことはありません。

つまりは、限られたお金を貯金と株式とで奪い合う関係にあります。

ですので、金利が低い場合は、今後金利が上がっていく可能性を考えなければいけないので、株価はいつかどこかで下落に転じるのではないかと、警戒しておく必要があります。

逆に、金利が高い場合は、金利が下がる可能性があるわけですが、金利が下がる場合は、たいてい株がなんらかの暴落を起こして、政府がその影響を和らげるために中央銀行と協議した上で、政策金利を下げることが多いので、単純に株式が買いかというと、少し微妙な話になります。

 


どこの国の金利に注目するべきか?


 

2021年現在、日本の金利については、長らくほぼゼロ金利の低空飛行ですので、株式にはほとんど影響を与えていません

今後もその傾向は続くと思いますので、日本の金利はあまりマークしなくてもいいのではないかと思います。(逆に、万一日本の金利が大きく上昇する事態になると、予想外ということになり、株式市場に与えるインパクトも大きくなるので、一応注意は必要です。)

代わりに、米国の金利の影響を受けていて、米国の金利の上下がダウNASDAQといった米国株の指数に影響を与え、それが日本の株式にも影響を与える、という関係になります。

どうして、米国の金利の影響を受けやすいかというと、

日本株の所有者の約3割が外国人投資家である一方、株式を動かす金額は外国人投資家が実に7割を占めていますので、米国の金利の影響を強く受けやすくなるのです。

金利を気にする場合は、とりあえず米国の金利の動きに注意するといいでしょう。

 

米国金利上がる ↑ = 株式下がる ↓

米国金利下がる ↓ = 株式上がる ↑

 

他の要因も関係してくるので、必ずしもこう動くわけではありませんが、大体このような傾向があります。