アメリカのインフレ対策と株価

1月のアメリカの消費者物価指数は7.5%でしたが、2月も予想では7.9%と更にインフレが加速する目算となっています。

また、ウクライナ戦争と経済制裁の影響によっては、8%を超える可能性もあるため、今後の動向に注意が必要です。

先日、FRBのパウエル議長は0.25%の利上げを予告しましたが、その後も市場や世界の動向を注視しながら引き続き利上げやQTを行なっていくことを否定しませんでした。

従って、当面は株価がどんどん上昇するような局面ではないことを、想定しておかなくてはいけないでしょう。


インフレがおこるとなぜFRBは利上げするのか?


まず、この話の大前提として、FRBの仕事は、株価を上げて株主を喜ばせることではありません。

物価を安定させて、市民生活と米国経済を守ることこそが、FRBの最たる使命なのだということを押さえておきましょう。

そのうえで、利上げをすることで物価上昇が抑えられるので、利上げをします。


なぜ、利上げがインフレに有効なのか?


利上げをすると、企業が投資をする際の借り入れに対する利率が上がり、返済額が増えるので、投資が抑えられます

個人でも、住宅購入など大きな買い物の際のローンの支払い額が増えるので、大きな買い物を手控えるようになります

銀行預金の利回りが良くなるので、貯蓄が増えます

これらの結果から、市場に出回る現金が減り、インフレが抑えられるという仕組みになります。

ようは過熱した景気をある程度冷ますことで、物価を安定させるということです。

ただし、やりすぎると景気後退してしまうので、そのかじ取りが最も重要なFRBの役割なのです。


こういった局面に強い投資は?


コモディティ(穀物や鉱石などの物品系)

インフレが高進しているということはドルの価値が下がっていますので、逆相関的に物の価値が上がっていることになります。

同じ理由で、現金の価値が金に対して下がるため、金を買うのに必要な現金の量が増えることになり、金の値段が上がります。

注意が必要なのは、基本的に利上げは金にとってはマイナスだということです。

ただ、現在の物価上昇はそれを吹き飛ばすレベルですので、ウクライナ戦争が終わればいったん下落するかもしれませんが、おそらく金は中・長期的に上がっていくと思われます。

石油

石油は、利上げ局面やリセッションに強いと言われています。

これもウクライナ戦争が終結すればいったん下落する可能性が高いですが、その後再び上昇する可能性があります。

配当利回りの高いバリュー株

配当利回りが良いと、単純に銀行預金よりもお得な可能性があり、仮に下落して塩漬け状態になったとしても配当がある限り、長期で持てば減損分を補填できるという安心感があるためです。