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前回の「楽天グループは復活するのか?①」では、楽天グループが今の赤字を垂れ流す体質になった過程を書きました。
今回は、これから楽天グループがどうなっていくのかを予想してみようと思います。
【プラチナバンドの使用が認可される?】
2023年4月19日、楽天モバイルが2023年9月中に700MHZ帯のプラチナバンド割り当てを総務省に申請したと、公表されました。
このプラチナバンドの使用が許可されれば、楽天モバイルはローミング費用や新規アンテナを大量に建てる負担から解放されることを意味します。
楽天モバイルの垂れ流す赤字の大部分がこのローミング費用とアンテナ建設ですので、うまくいけば赤字を大きく圧縮することが可能です。
まだ総務省から許認可が下りた訳ではないですが、現状からすると、ようやく一筋の光明が見えたことになります。
【楽天モバイルが申請した700MHZの問題点】
さて、今度は、楽天モバイルが使おうとしている700MHZのプラチナバンドは、どのような性質と問題点を持つのか、解説します。
プラチナバンドとは、700~900MHZの周波数を持つ電磁波なのですが、この帯域が4Gの携帯通信環境に適しているわけです。
しかし、一口にプラチナバンドといっても、200MHZの幅があります。
基本的には、中央値の800MHZに近い位置がより通信に適しているのですが、今回楽天モバイルが申請した帯域は700MHZ近辺(つまり端のほう)と言われています。
従って、この帯域で、他社と同じような安定的な接続を確保しようとすると、電波塔を長く伸ばす必要があるのでは、とも言われています。
上記を考慮すると、9月に認可が下りたとして、すぐに運用開始、とはいかず、実際の運用には数か月~半年は準備期間がかかるのではないでしょうか。
そして、ローミングも運用開始とともに一気に0になるのではなく、700MHZの技術的な問題を解決しつつ段階的に減らしていくのではないか、と考えられます。
ということは、
「プラチナバンドの許認可が下りる=赤字がなくなる」という簡単な構図ではない
ことが分かります。
あくまで、赤字が減少していく入口に立つ、くらいの認識で、正しいのではないか、と私は考えています。
【社債の償還期限が次々と来る】
https://corp.rakuten.co.jp/investors/stock/bond.html(楽天グループホームページより引用)
↑こちらは、楽天グループのホームページから引用した社債情報です。
ここには、2024年から次々と大きな額の社債が償還期限を迎えることが書いてあります。
その額は、様々ですが、一例を挙げると、2024年12月2日に償還期限を迎える社債だと750億円+利子、2025年2月10日に償還期限を迎える社債は2500億円+利子となっています。
その他、ドル建てのものも含めて、様々な社債を発行していて、これから随時その償還期限を迎えていくことになります。
つまり、仮に楽天モバイルが軌道に乗って、グループ全体が黒字化を果たしたとしても、発行した社債をその都度利子をつけて返していかなければならない訳ですね。
有利子負債の額が非常に大きくなっているため、プラチナバンドを取得できたとしても、苦境はしばらく続くと見て間違いないでしょう。
【株価はどうなるのか?】
恐らく、秋にプラチナバンドの許認可が下りる可能性が高いので、そこを目指して一旦底をうった後、9月の許諾前後である程度反転していくのではないか、と思います。
逆に、万一認可が下りなかった場合は、最悪債務超過に陥り株価も更に暴落する可能性もあります。
他にも探せば有望な株はある訳ですから、楽天グループに投資する場合は、ある程度大きなリスクが伴うことを覚悟した上で、自己責任でおこなうようにしてください。
新NISA(2024年) 20240203
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