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アメリカでは、6/10発表された消費者物価指数(インフレ率)が前年比で再び上昇に転じたのを受けて、6/15のFOMCで急遽0.75%の利上げを決定しました。
この一連の流れは大きく市場を動揺させ、ダウは前週比で2000ドル程度一気に暴落しました。
では、今後どのような展開になるのか予想してみます。
従来想定していた利上げでは、インフレを抑えられない
消費者物価指数が、再び上昇に転じたということは、現状のFRBの政策では、インフレを抑えるのに不十分ということを示しています。
従来のFRBの想定では、0.5%ずつ利上げをして、前年比8%台まで進んだインフレ率を抑える予定でした。
そして、この0.5%の利上げは株式市場にある程度織り込まれていました。
ところが、5月の消費者物価指数が8.3%>8.6%と再び上昇に転じたことから、今起こっているインフレが相当根強いということが判明しました。
そこで慌てたFRBは、FOMCで0.75%の利上げに踏み切ると急遽政策転換して発表しました。
このことは、最終的に3%程度の利率で落ち着くと見られていた、米10年債利回りが更に上振れすることを示しています。
この利率が上がれば上がるほど、企業は借金にかかる金利が上がりますから、返済が難しくなり、利益を圧迫することになります。
従って、企業の利益が下振れすることが想定されますから、株価も下落するという流れになります。
今後の利上げペース
これは、今回の0.75%のサプライズ利上げが、どれほどインフレ率を抑える効果があるかにかかってきます。
つまり、次回の7月に発表される6月分の消費者物価指数の結果次第だということです。
ただ、私の考えでは、仮にここで消費者物価指数が下落に再び転じたとしても、利上げのペースを緩めると、再度上昇に転じるのではないかと懸念しています。
なぜかというと、このインフレ率8.6%という数字は実に40年ぶりの非常に高いインフレ率だからです。
1回あたりの利上げが0.75%というのも、実は27年ぶりで十分すごい利上げ幅なんですが、見て分かる通り40年ぶりのインフレに対してちょっと小物ですよね。
これ1回では、十分ではないというのが私の感覚です。
次回の利上げ幅がどうなるかは、先ほど申し上げた通り、7月発表の消費者物価指数次第ですが、1週間で約2000ドルもダウを下落させたので、FRBは再び0.75%の利上げには慎重な立場ではないかと思います。
経済が冷えかけて慌てて、再緩和に動くとき、インフレの芽が再び発芽する
これは長期(数年~10年程度)での私の予想になりますが、恐らく今回のインフレはそう簡単には収まりません。
アメリカの政策金利は来年には3%を超えてくるでしょうが、それに合わせて景気も冷え込みますので、再緩和(利下げ)に動く可能性もあります。
しかし、この40年ぶりのインフレ率は、恐らく利下げをすると、また上昇に転じると思われます。
ここまでのインフレ率に成長すると、根も深く張っており、中途半端な利上げでは、取り除くことが出来ないからです。
すると、再び利上げをする必要に迫られることになります。
では、アメリカの株価はどうなるのか
(出所:Wikipedia:フェデラル・ファンド金利 内 Kbh3rd氏著作画像より)
40年ぶりのインフレ率ということで、上記のグラフを確認していきましょう。
1973年に第四次中東戦争を機に始まった第一次オイルショックと1979年のイラン革命を機に再び起こった第2次オイルショックにより、その後大きく政策金利が上がっています。
当時のアメリカのインフレ率は、15%前後まで上昇しており、今回のインフレ率の実に2倍程度になっていました。
1981~1982年で政策金利も天井をつけていますが、この時の金利は実に19%を超えています。
従って、インフレが継続的な場合(瞬間的なインフレでない)、インフレを退治するのに必要な金利は、インフレ率を超える水準と考えることが出来ます。
今の状態ですと、インフレ率8.6%なのですから、政策金利は9%辺りが妥当ということになります。
この9%辺りまで、長い目で見るとジグザグしながら上げていかないと、今回のインフレは収まらないのではないかと予想します。
アメリカはインフレが収まりそうになると、利下げに動き、利下げが始まると再びインフレ率が上がり、それを退治するために再び利上げをする。
このような流れで、今後はインフレと対峙するのではないかと予想します。
従って、株価は政策金利と逆相関の関係にありますから、利下げ局面で再び上昇に転じることがあっても、また利上げで頭打ちになり、今後10年ほどレンジで上値が重い展開が続く可能性が高いと考えます。
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