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現在、米経済はグレートリセッション(大きな景気後退)に向かっているとも言われています。
これには様々な要因がありますが、最も大きな要因はコロナ対策で市場に短期的にお金をバラまきすぎたことでインフレが急速に進んでいるからです。
そして、そのインフレに、賃金の伸びが追い付かず、徐々に購買意欲が失われていくからだということは、前回の記事で書きました。
では、リセッションにはどのような株が強いのか、どうして、そうなるのかを考えてみましょう。
【リセッションに強い株】
一般的にリセッションに強い株というのは、消耗品・ヘルスケア関連株と言われています。
前回の記事でも挙げましたが、米国の主要指数であるダウ工業平均30種の中で言うと、ジョンソン&ジョンソンやプロクター&ギャンブルがこれにあたります。
【リセッションが起こる仕組み】
じゃあ、なんでこれらの株は他の株が下がっていく中でも強いのか、疑問に思われる方も多いかもしれませんね。
ここで想像してみてください。
あなたは仕事をしていますが、給料はそれほど上がっていません。
しかし、周りのすべての商品があれよあれよという間に値上がりしていきます。
最初は、もっと値上がりする前に買ってしまおうと考え、どんどん買っていました。
家を買い、車を買い、いらなくなったら売ればいいと思って、借金してでも買っていました。
ところが、銀行はインフレを抑えるために、金利を上げたものだから、家や車を買うためにした借金の返済額が膨らんでいきます。
買い手がすぐについていたものも、買い手がつかなくなり、以前ほど転売も容易ではなくなってしまいました。
それは当然です。
なぜなら、あなたと同じようにわざわざ利上げで膨大な返済をしなくてはいけない借金をしてまで、家や車を買おうとする人が少なくなっていくからです。
そんな中、あなたの給料はそれほど上がっていかない訳ですから、生活はどんどん苦しくなっていきます。
そうすると、買う意欲がなくなってきます。
こうして、値段が上がっていても買われていたものは買われなくなり、インフレは落ち着いてきます。
しかし、一方で、企業の業績は悪化していきます。
なぜなら、商品価格を上げざるを得なかったのは、需要がたくさんあったからというより、原材料費が高騰していたからだったからです。
売れているうちは、値上げの効果もあって儲けが出ていましたが、売れなくなっていくと途端に業績が悪くなってきました。
そうして、失業者もたくさん出ていく中、あなたの給与もついに下げられ、ボーナスはカットされました。
こうした流れで起こるのがリセッション(景気後退)です。
【消耗品・ヘルスケアがリセッションに強い理由】
さあ、給与は下がり、不動産価値は下がって買い手がつかない状況です。
そうなるとまず、不動産関係の株はダメだってことが分かりますよね。
ココからは簡単です。
あなたが、もし収入がとても減ってしまったとして、今住んでいる家はなんとかなるとしましょう。
そこで、どうしても支出を削らなければならない場合、いったい最後まで買わなければいけないものはなんでしょうか。
想像してください。
あなたは、今、とても貧乏になりました。
一応、住んでいる家はあります。
車は持っているけど、以前のように数年に一度買い替える気にはなりません。ちょっとくらいボロくても頑張って乗ります。(自動車関連株)
遠出は控えて、ガソリンは出来るだけ使わないようにします。(石油関連株)
旅行も控えます。(航空・鉄道・旅行関連株)
引っ越したり、転売目的で借金作ってまで不動産を買おうという気にはまったくなりません。(不動産関連株)
パソコンもスマホも、使える限り使っていこうと思います。(IT関連株)
ご飯もおかずを減らしました。でも、これは毎日食べるので買い物に行きます。(食品・スーパー関連株)
持病もあって薬がいりますが、これもないと命にかかわるので、買います。(ヘルスケア関連株)
トイレットペーパーや歯磨き粉、石鹸なんか随時なくなるので買わないといけません。(消耗品関連株)
さあ、分かってきましたね。
そう、人間は、食べないと生きていけないので、本当に貧乏になったとしても、食事は毎日します。
そのため、食品がある程度値上げされたとしても、他の贅沢品を削ってでも食事だけはしなくてはいけないため、景気が悪くなっても最後の最後まで消費が衰えにくいのです。
外食は減るでしょうが、その分スーパーで買って自炊しようとしたりもするので、結局売り上げはそれほど落ちません。
同じような理由で、石鹸やトイレットペーパーなど、どうしても必要なものの消費は衰えにくいのです。
ですので、これらの消耗品・ヘルスケア関連企業は景気が悪くなったとしても、自社の業績が悪くならないように、ある程度強気に値上げすることが可能です。
そうして、利益を確保することが出来ますし、他の業種が絶不調に陥ると、それらの株から資金が流出して、最後の砦である、消耗品・ヘルスケア株に流れ込みます。
これが、リセッション局面で、消耗品・ヘルスケア株が比較的強いとされている理由になります。
とはいえ、景気後退しているということは、株式市場全体が下落局面な訳ですから、過度な期待は禁物です。
【リセッションで見える一筋の光】
本格的に景気が冷え込むと、次に連邦銀行が考えるのは利下げになります。
利上げとQTなどで、あまりに市場が冷え込むと、連邦銀行はさすがに利下げをする必要を検討し始めます。
そうして、利下げが実際に発表されると、株式市場は景気に対して先行性がありますから、資金の流入を期待して、IT関連株などが復活、上昇していくことになります。
【私の想定する戦略】
まず、今のうちから保有している石油関連銘柄・コモディティ関連ETFなどを売り始めます。
出来た資金で、ヘルスケア・消耗品銘柄を買います。
本格的なリセッションに突入して、これらの株が好調になった段階で売り、タイミングを見計らって今度は目を付けた銀行やIT関連銘柄を買い集めていく予定です。
ただし、景気の波と、株価の大底は、ずれることが多く、それらが正確にいつ訪れるのかは予測困難であるため、大底は狙わず、反転を見逃さないようにしたいと思っています。
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