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最近、日本国内の物価が目に見えて上がっていますが、今回はどうすればそれを食い止めることが出来るのかを考えてみましょう。
インフレの原因(おさらい)
前回の記事でお話ししましたが、インフレの原因は
❶原油・コモディティ価格の上昇(コロナ禍からの経済活動再開と金融緩和による紙幣の価値の低下による)
❷円安(日米金利差による)
❸ウクライナ戦争とその経済制裁による原材料費の高騰(小麦などの供給不安と制裁による反動)
これらを主要因としたさまざまな要因が絡み合って、現在のインフレは起こっています。
上記要因で日本が自力で対処可能なものは何か
答えは、❶と❷になります。
❸のウクライナ戦争は他国同士の戦争ですし、様々な国の思惑もあるので、日本が現在の欧米と歩調を合わせて、経済制裁を科す姿勢を変えることは難しいでしょう。
では、なぜ❶と❷は対処可能なのかというと、
❶はバラマキをやめれば良い。
❷は金利を上げれば良い。
ということだからです。
こういうことを言うと、大抵、反対意見が出ますので、市場原理と本当に1年間トータルで見て、いったい何が得で、何が損なのかを考えていきます。
ダイヤモンドと排泄物に価値の違いを考える(市場の根本原理)
<ダイヤモンドと石の価値>
あなたは、ダイヤモンドが欲しいですか?と聞かれたら、ほとんどの人の答えは
「YES!」
ではないでしょうか。
私も「YES」なのですが、こう考えることがあります。
もしも、地上にある砂の数ほど、そこら中にダイヤモンドが転がっていたとしても、同じ答えになるだろうか。
そして、もしも今の世界では何の変哲もない石だけど、それがその世界に一つだけしかなかったら、いったい石とダイヤモンドどちらの価値が高いだろうか、と。
おそらく、ダイヤモンドがあふれている世界で、一つしかない石と比べて、どちらの価値が高くなるかと想像すると、それは「石」のほうが価値が高くなると思います。
<排泄物に価値がある!?>
続けて、似たような事例を挙げましょう。
排泄物が欲しい人は、ごく一部を除いて、いないと思います。
しかし、そんな排泄物を欲しがる人がいます。
それは恐竜時代の研究者です。
恐竜はすでに地上に存在せず、恐竜の排泄物が増えることはありません。
従って、地中に埋まっている化石は希少であり、排泄物でさえ、高値で取引されるのです。
ココから見えてくる大切なことは何かというと、
金やダイヤモンドは綺麗だから価値があるのではない。
排泄物は汚いから価値がないのではない。
ということです。
モノはその希少性の違いから、価値があるものとないものに分かれているに過ぎない
ということが分かります。
これが【市場の根本原理】です。
市場の根本原理を紙幣に当てはめるとどうか
では、紙幣をたくさん刷ってばら撒くということは、どういうことなのでしょうか。
答えは簡単で、紙幣の価値が下がります。
そして、相対的に物価が上がるということになります。
物価が上がる=紙幣の価値が下がる
こういった相関関係があることを頭に入れておきましょう。
そして、日銀はこれを利用して、目標となる2%のインフレを起こし、景気の好循環を演出しようとしてきました。
では、なぜ物価が最近まで上がらなかったのか。
日本人の多くは潜在的に少子高齢化が進むことや労働人口の減少など、良くない日本の未来を予見していました。
また、株高の恩恵を受ける経営者や一部の高所得者を除いて、賃上げは限定的であり、多くの労働者である国民がその恩恵を感じることが中々出来ませんでした。
そういった不安から、ばら撒かれた紙幣の大部分が消費ではなく、貯蓄に回り、結果的に市場に出回らずにごく最近まで物価の上昇もほとんどおきなかったのです。
仮にたくさんバラまいても物価がそれ以上に上がるとかえって貧乏になる
人間、目先のお金は欲しいものですが、それをもらったがためにもらったお金以上に商品が値上がりしたら、意味がないどころか損ですよね。
私も政府のバラマキに意味がないとは言いません。
しかし、一方でお金を刷れば刷るほど、貨幣の価値は下がり、将来のインフレの芽を作り出している、ということに気づくことは大切です。
最近、年金世帯に5000円給付される案が、反対にあいました。
この案だと、
「年金世帯以外が何も貰えない」
のではなく、実際は
「年金世帯以外が全員損をする」
ということに最近のインフレを通して、多くの日本国民が気づいたからだと思います。
※長くなりましたので、今回はここまでにして、次回は日本のインフレを止めるカギ②(金利編)をお話ししようと思います。
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