インフレ率再上昇と賃上げ

皆様、お久しぶりです。
久保田です。
実に半年ぶりくらいの更新となります。
私はこの間、サラリーマン投資家として、会社に賃上げを要望したり、それに付随する様々な活動をしたりと、
休日はバタバタ過ごしていました。
少し落ち着いてきましたので、今回記事を更新することにしました。よろしくお願いします。

【インフレ率再上昇】

2023年5月19日、日本の2023年4月のコアCPI(インフレ率)が3.4%と発表されました。
前月まで、3.1%と下落傾向にありましたが、3.4%と再上昇したことになります。

この発表の2023年4月のインフレ率3.4%の発表をもって、
半年前の前回記事【日銀黒田前総裁VS久保田】
(4月のインフレ率2%以下なら黒田総裁の勝ち、2~3%なら引き分け、3%以上なら久保田の勝ち)
という勝手な企画は、一応『久保田の勝ち』とさせて頂きます。

ですが、物価が上がっていることをひしひしと感じるわけで、私自身とても複雑な気持ちです。

【賃上げと労働参加率の改善】

今年の春闘では、企業の満額回答やそれを超える回答も相次ぎ、近年にない盛り上がりを見せました。
正直申しまして、全体としては私の想像を超えた賃上げがなされた、と思います。
日本企業の底力を見た気がして、一安心しました。

一方で、アルバイト・パートタイマーの賃金底上げは十分されてないのではないか、と思います。

<生活保護と労働参加率について>

私には以前から疑問がありました。

手取り十数万円の労働者と生活保護受給者を、収入面ばかりではなく、医療費や支出の面からも比較すると、どちらが裕福なのか、という問題です。
最近、とあるメガネメーカーが生活保護受給者が医療扶助でメガネを購入した時に、自治体に過大請求を行なっていた、という詐欺事件が問題になりました。
ところが、裏返してみると、労働者の場合、購入代金数万円は全て、自腹で払うことになります。

ここまで考えると、もう何が何だか分からなくなってきます。
現代の日本に、手取りが20万円に満たない労働者は、それこそ本当に大勢いるわけです。
働くのが好きで好きでたまらない、という人もいるでしょうし、それは良いことなのですが、出来れば労働せずに楽してお金を稼ぎたいと思う人が大勢いても不思議ではありません。

と、ここまで言うと、生活保護批判のように受け取られるかもしれませんが、そうではありません。
問題は、労働に生活保護を超える旨味がなかったことなのです。

生活保護を受けざるを得ない事情をお持ちの方が受けるのは、日本人として守られるべき権利です。
ただし、中には、もしかしたら頑張ったら少しは働ける、という方もいるのではないでしょうか。

しかし、そういった方が働いても、賃金が安ければ、やっぱりおいしくないのでやめとこう、となる訳ですね。

仮に、月給が50万円以上あるのが普通だった場合、恐らく労働参加率はもっと上がるでしょう。
それは労働することが「おいしい」からです。

残念ながら、長年賃金が低く抑えられ続けてきたため、労働の旨味が全然なくなっていて、人口減少もあってそれは人手不足になるよね、と感じます。

<今回の賃上げの効果>

そう考えると、今回の賃上げは、働いている人間が報われない、という流れを少なくとも一時的に食い止める効果があったと思います。
もし、今後この勢いで賃上げが続くようなら、労働参加者に旨味がうまれるので、労働参加率が増えることが期待できます。
ただし、今回のような賃上げを一時の花火に終わらせないよう、国民が監視し、政府が有効な働きかけを企業側に行なっていくことが重要でしょう。