ビットコインと株式の相関関係

【ビットコインと株式の相関関係とは】


株式の価格の上下とビットコインの価格の上下に相関関係はあるんでしょうか。

今回は、そのことについて考えていこうと思います。

株式とビットコインの相関関係で、1回だけ顕著に結果が出たことがありました。

それは『コロナショック』です。

2020年初頭、COVID-19(新型コロナウイルス)のパンデミックを受けて、各国がロックダウンを実施しました。その結果、テレビ中継ではいつもは人でにぎわう街が閑散として、まるで死の都市になったかのようなショッキングな映像が世界中のお茶の間に流れました。

その様子は人々に多くの店舗の閉鎖や会社の倒産を思い起こさせ、投資家たちはパニックに陥って、株式の大暴落を引き起こしました。

【この時点での私の予想】

私はこの時点では、ビットコインは通貨に代わるものであり、金のような性質も持ち合わせていると思っていたので、株式の暴落時には、逃げた資金の流入先の一つとして、逆に値段が上昇すると考えていました。

【実際の市場の反応】

しかし、その予想は見事に外れ、ビットコインも株式に連れる形で下落しました。

では、なぜこのようなことが起こったんでしょうか。

理由は、株式が暴落したことによって、大量の追証が発生し、その追加保証金に当てる現金を確保するため、ビットコインもまた大量に売却されたからです。

このことが示している事実は、いくつかあります。

❶株式を持っている人はビットコインなどの暗号資産にも手を出している可能性が高いこと。

❷株式市場で暴落が起きた時は、信用買いの保証金不足による強制決済を回避する資金の確保を目的として、暗号資産も売られ、共に下落するということです。

では、逆にビットコインが暴落した場合はどうだったのでしょうか。

結論から言いますと、株式にはほとんど影響がありませんでした。

これは、

ビットコインには株式の信用買いや追証のようなシステムが広く整備されていない

ことと、

ビットコインの下落の理由が、ビットコインなど暗号資産の特有の事情によるものであることが多い

ということが挙げられます。

また、上昇局面では、少なくとも2020年~2021年にかけては、優位な関連性は見られませんでしたが、どちらも上昇する局面では、投資家の投資マインドは良好なので、両方とも上がりやすくなります。

また、上昇する局面ではビットコインのほうが勢いが勝っていることが多かったです。


<まとめ>

株式が暴落⇒ビットコインも下落する(株式の追加保証金確保のため、ビットコインも売られる)

ビットコインが暴落する⇒株式には影響なし(ビットコイン下落の理由が、暗号資産特有の理由であることが多いため)

株式が上昇⇒ビットコインも上昇しやすい(投資マインドが良好で、共に上昇しやすい局面)

ビットコインが上昇⇒株式もやや上昇しやすい(❸に似ているが、株式はビットコイン上昇の影響をやや受けにくい)